いつみても適当

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書籍感想

うつ病九段を読んだ

羽生世代の名棋士として知られる先崎学九段。彼が2018年うつ病を患い棋界を離れていた1年間、事の起こりから回復までの顛末を先崎九段本人がつづったエッセイである。2016年から2017年に棋界を揺るがせた「ソフト不正使用疑惑事件」。その後地に落ちた将棋人…

薬物について知るための本 最近読んだものまとめ

法律が錯綜していたり、カルチャー的な歴史の皮相もある違法薬物。特に日本は複雑怪奇で調べていて興味が尽きない。ここでは最近自分で読んだ本の中で勉強の役に立ったものをまとめておく 薬物依存症 松本俊彦 日本の薬物依存症治療・研究の第一人者である国…

読書 高野秀行 辺境メシ 

世界にはいろいろな飯がある。とはいえ、それがどんなものでどんな味でどんな人に食べられているのか、なかなか具体的に知ることは難しい。 そんな世界中の謎の飯を臨場感たっぷりに教えてくれる本があったらどうか。それが高野秀行氏の「辺境メシ」である。…

読書 三崎律日 奇書の世界史

面白かった。奇書とは書かれているが、どちらかというと時代の移り変わりの端境期に出てくる、それまでの世界とは相いれない思想、あるいは時代のはざまだからこそ世に出ることができてしまった奇想、そして、それにまつわる本を紹介した一作。 夢野久作の一…

読書 小川さやか チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学

常々しっかりしないでも生きていきたいと思っている。とかく社会と呼ばれるものが要求している”しっかり”は厳しい。私はできないことの方が多い。時間は何とか守れているけれど、業務委託でやっている仕事の進行管理には難儀するし、お金の管理も面倒だ。 請…

最近読んだ本 聖なるズー 

2019年の開高健ノンフィクション賞受賞作。あらすじはざっくりいうと、動物性愛者要するに動物を性愛の対象とする人々、その中でもドイツにあるとある動物性愛者団体の人間たちと筆者がかかわっていき、彼らは一体何者なのかそしてそこから浮かび上がってく…

最近読んだ本 感想 坂口恭平躁鬱日記 

坂口恭平躁鬱日記を読んだ。作家、活動家、画家、ミュージシャン、新政府総理大臣等独自の活動を続ける坂口恭平氏が書いた一作。ネットで更新していたものを下敷きにしているもので、氏の小説『幻年時代』を執筆していた時期の内容を主にまとめたものらしい…

人間やめたくなったら読むのをお勧めする本① 平山夢明 異常快楽殺人

この世は世知辛い。生き馬の目を行くようだ。人は常に、人の足を引っ張ることを考えあい、まじめな人間がまじめなまま生き残るなんてことはかなりまれだ。 よくよくフレッシュさなんて言われているが、フレッシュというのは俗世間に染まっていないことを指す…

しょぼい起業で生きていく えらいてんちょう 感想 死なないための起業という選択肢

読んだ本の感想おば しょぼい起業で生きていく /イ-スト・プレス/えらいてんちょう posted with カエレバ 楽天市場 Amazon 現在”しょぼい起業”コンサルとして活躍する”えらいてんちょう”氏が書いた1作だ。個人的にはネット上で活躍している人のように思って…

坂口恭平 モバイルハウス 3万円で家を作る レビュー 家の概念を変えれば人は楽しく生きられるのかもしれない

何故家に住むために人はお金を払わなくてはいけないのか。もちろん、連綿と長く続いてきた制度上から、そこに疑問を挟む余地はなくなってきている。 だが、実際のところ土地を持っている人間が場合によっては巨万の富を抱き、場合によって彼らが所有する家に…

売春島「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ レビュー 渡鹿野島の現状がわかる一作

最近読んだ本の感想おば 売春島とも呼ばれ、かつては性風俗産業で栄えた三重県渡鹿野島(わたかのじま)が舞台。 性風俗などの分野でルポライター、ノンフィクション作家として活動をしている、高木瑞穂さんが、その実態に迫った一作だ。 性風俗を主な生業に…

 内澤旬子 世界屠畜紀行 レビュー

今回ご紹介するのは内澤旬子さんが書いた世界屠畜紀行です。 繊細でありながらもどこかコミカルなイラスト付きで学ぶ生き物を殺すということ タイトルの通りこの本は日本、韓国、ヨーロッパ、中央アジアなど世界各国で生き物を殺し、そして肉を作る作業、つ…

お金稼ぐのつらい、と思った時に読むのをお勧めする本

どうも、お金稼ぐのってつらいですよね。僕はちょっと辛いです。お金って生きていくのに必要ですが、本が読みたければ図書館に通えばいいし、別に日本だったらコンビニスーパーもあるし、野草もとれる、生きていくのにそれほど莫大な食費がかかるわけでもあ…

笑いながら、生き物が死に絶えることについて考える わけあって絶滅しました。 レビュー

「わけあって絶滅しました。」は ダイヤモンド社より発売された新感覚の動物図鑑だ。 全175ページのほとんどを占めるのは 「わけあって絶滅」したちょっぴり切ない動物たち。 書き手は本作以外にも「残念な生き物事典」シリーズ など少し斜め上を行く視点で…