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かつや コーンフレークカツ丼 うまい、まずいというより、つらい 食べるというより、苦行

 カツ丼チェーン「かつや」がつい先日発表した、新メニュー”コーンフレークカツ丼”が気になっていたので、近くの店舗に足を運び、食べてきた。

 コーンフレークカツ丼はその名の通り、コーンフレークが衣のチキンカツが乗っかったどんぶりという、小学生が夏休みの宿題で考えてきたような、若干IQが低め、うまいものにうまいものを重ねたらうまいだろうをド直球でいくどんぶりである。

 独自の配合によって作られた辛味スパイスがのったチキンカツ、その下にはキャベツが敷かれている。そして三つあるかつのうち、一つには味変のためのマヨネーズがのっていた。

 実際食べてみるとまず驚いたのが、そのザクザク感。ただでさえサクサク食感が売りのコーンフレークを油で高温で上げているのである。コーンフレークに残っているほんの少しの水分も残さないことにより、口の中のどこで咀嚼してもざくざくとした強烈な食感が味わえるようになっていた。

 そしてザクっとした食感の後に、続くのが辛味スパイス。見た目は真っ赤で少し毒々しいのだが、ただ辛いだけでなく、しょっぱみ、少々の甘味もあって、いいアクセントになっていた。これだけでも酒のつまみになりそうである。

 ただ、そう思えていたのは最初の2口くらいで、正直なところ、あとは食べ終わるまで、まるで修行をしているような、トレーニングをしているようなつらい時間が続いた。

 まず、量が多い。コーンフレークは人によっては朝食のメインにも据える。要するに主食である。衣のコーンフレークはつぶしてある、とかちょっと小さめにしてある、といったことはなく、ザクザク感を最大限に出すためか、よく見るあのコーンフレークのサイズそのままである。存在感もしっかりあるうえに、油で揚げているので、かじるとじゅわりと油が出てくる。そんな重い衣が付いたチキンをおかずに米を喰う、いわば主食をおかずに主食を喰うような状況だった。

 そして味がかなり単調、スパイスはとてもいいのだが、それしかない。しかも粉なのでぱさぱさ指摘てしまい、食べづらくなってくる。味変をしようにもついているのはマヨネーズ、そう、油である。油がびっちゃり残った口にさらに油を加える、さすがにつらかった。

 さらに加えて、ザクザク感を生み出している衣は、冷えてくるにつれて、硬さを増していった。コーンフレークの形が残っているので、端々がまるで刃物のようにざくざくと口を傷つけていく。量が多い、油が多い、味が単調、そしてついに痛みとの戦いが始まった。咀嚼しするたびに舌の裏側、上あごがざっくざくに。ついには舌の裏に血豆までできてしまった。

 ちなみに、たぶんかつ単品で食べたらおいしい。味的にはケンタッキーフライドチキンに近いものがあった。限りなくジャンクフードよりの食べ物である。おそらくだが、コーラやビールを飲みながら食べたら、おいしくいただけたように思う。なぜ主食を衣にしたものを米の上に乗せようと思ったのか。カツ丼チェーンとはいえ、そこまでどんぶりにこだわらなくてもよかったのでは? そう思ってしまった。(もちろん、どんぶりではない、定食メニューもある9

 なんだかうまそうだと、ネット上の情報をもとに来たのがいけなかったのかもしれない。おいしい昼食の時間がただの苦行のようになってしまった。正直なところ、二回目は食べたくない。