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寿町のドヤでダニに刺された話

 以前仕事で横浜の近くで泊りがけの用事ができたので、ものは試しと寿町のドヤ(簡易宿泊所)に興味半分で泊まったことがある。

 

 泊まったは寿町の中心部にある小さなドヤ。実際泊まってみると、目くるめくディープな世界が広がっているわけではなかった。

 

料金は1700円。入口は確かにディープだったし、「生活保護ですか?」なんてエントランスのおいちゃんに聞かれたけれども、中は普通だ。多分新宿とか渋谷にある夢を食い物にするタイプのドミトリーなんかよりもよほど良心的。その辺の漫画喫茶に泊まるよりよほど自由だし、清潔だと思う。

 

部屋は3畳ほど。いたって普通だ。ドヤと聞いてどんなもんだ?と思っていたけれどもきれい。海外旅行を経験したことがある人であれば全然平気なんじゃないだろうか。

 

テレビもついているし、冷蔵庫もある。少々汚いのは事実だけれども、まあそれは仕方ない。だって1700円だから。

 

お店によって違うんだろうが、私の泊まったドヤはこんなもんだった。ちなみに2019年2月25日にヤフーで寿町を長年見守ってきた医師のインタビュー記事が掲載されていたけれど、そこにある通り、いつぞやあったといわれている危ない雰囲気はほとんどないし、宿泊者(滞在者と言った方がいいのかもしれない)で多いのはご高齢の方ばかりだった。

 

私は仕事で来たので、特にすることもなく、前の部屋にいる生活保護受給者だというおいちゃんと話したりしながら、のんのんと過ごした。

 

夜も遅くなったので、部屋の中に戻り、札幌黒ラベルを口に含みながら、しばし一息ついた。ビジネスホテルもいいけれど、ドヤも意外と悪くない。

 

ベッドが部屋を占拠しているわけでもないので、意外と広々している。

 

あまり映りの良くないテレビを見ながら、今後の自分の行く末や今置かれている状況を考えたりもした。

 

そんなこんなで「さて、寝よう」と思ったのだが、ここにきてやっと寿町というべきか、ドヤらしい要素が。

 

もらった布団に体をくぐらせたのだが、なんだかしっとり湿っている。乾いていない。しかも、中に入るとなんだかかゆい。どうやら何かがいるらしい。お腹のあたりがとてもかゆい。しばらくすると、もももかゆい、顔もかゆい、背中もかゆいと全身かゆくなってきた。

 

もちろん私はこの時体も洗っていたし、そもそもアレルギーの類はもっていない。どうやら虫らしい。ここで私は、ドヤの入り口に貼ってあった注意書きを思い出した。

 

トコジラミ、ダニに注意」

 

一体何に注意すればいいのかわからないが、どうやらおそらくこのかゆみがそのどちらかによるものらしい。

 

痒さで眠れなかった私は、後悔とも嬉しさともにつかない複雑な気持ちを抱えながら、朝を迎え、ドヤを後にすることにした。

 

ちなみにその時刺された後は今でも残っている。ドヤにとまり準備不足で虫に刺された男。別に面白くもなんともない。まあいいかこんなもんで。

 

まあ私の場合は準備不足でしたが、ドヤ(簡易宿泊所)は意外と快適だし、安いのでちょっと滞在するにはありだと思います。近年は観光客向けにドヤはそのままに管理だけ変えているところもあるので、試してみるといいかもしれません。