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メイドインアビス 深き魂の黎明 レビュー つくしあきひとはやっぱり狂っている(いい意味)

 漫画版から始め、アニメ版にうつり、そしてウェブ連載にうつり、結局つくし卿の策略に負ける形でアニメ映画深き魂の黎明を見てしまった。2時間という短い間で連載機関でいえば2年以上は少なくともあった内容をどうまとめられるのかと思っていたのだが、うまいことまとまっていた。

 PG12 指定からR15指定に変更されて話題になった表現に関しては、実際のところ、漫画版よりはかなりマイルド。映像の美しさも相まって、単にグロテスクなものではなく、表現としても昇華されていたようには思う。だが、やはり小さい子供たちが悲惨な死を迎える、それも信じたものに裏切られて、という表現は社会的なオブラートに包まないといけないものだったのかもしれない。

 個人的にはメイニャがプルシュカだったものをなめげっぷをした後に、ころりと白笛になったプルシュカが出てくるあのシーンが損なわれていなかったのでよかった。戻れぬ旅路、出会いと別れ、人間にはどうしようもない過酷な冒険を挑むがゆえの狂気、否応なしに訪れる命の終わり。

 淡々と、しかし圧倒的な筆致で描かれるあの世界も失われていなかった。さすがである。 

 ただ一つ惜しむらくは、ほっこりパート「マルルクちゃんの日常」である。感情の揺れ動きに耐えられなくなるものが続出するであろう作品であり、だからこそ、上映後に一服の清涼剤的な何か必要であろうはずなのに、それを無視し、何故冒頭に持ってきたのか。

 私個人は「おっふ、やるじゃん」と思ったりもしたのだが、プルシュカがこぼれちゃう! をこれからしかも原作未履修で見る人間もいる想定でやるのは

 

メイドインアビス(8) (バンブーコミックス)

メイドインアビス(8) (バンブーコミックス)

 

 

性格が悪いと思ってしまった。もう少し優しくしてあげてほしい。これもやはり柔和な熊面眼鏡の奥にきらりと光るあの狂気によるものなのだろうか。

 だらだらと感想を書いたが、要するによかった。まだ見ていない人はみたほうがいいかも。