下北沢で540円のウクレレを買った
つい先日、なんだかいつも地味な場所にばかり行っているので、少しはおしゃれを味わいたいと思い、下北沢に行った。
まあ、よく言われている通りの場所で、路地には古着屋が軒を連ね、脇を固めるようにおしゃれな飲み物が飲めそうな飲食店が所狭しと立ち並んでいる。
ちょっと脇にそれると売っている人も価値がわかっていないような何だかよくわからないけれどおしゃれにまとめられた古物が販売されている古物屋があるといった具合だ。
ディスクユニオンやリサイクルショップはさすが下北といった品ぞろえだったのだけれども、それ以外は正直意外と残念な感じ。暮らしているともっと下北沢の神髄のようなものが感じられるのかもしれないけれど、なんというか「サブカルな町」といった感じで渋谷のような金のにおいもちょっぴり感じてしまった。
まあそんな話はさておき、リサイクルショップで素敵な出会いがあった。人間ではないけれど。
下北沢の商店街のとある場所に某大手リサイクルショップを見つけた。下北沢ということでここもおしゃれなのかと思っていたのだが、そこは某大手リサイクルショップ見慣れたあの感じだった。
下北沢だから楽器とか、レコードとかいい感じの品ぞろえなのかと思っていたがそこもやはり某リサイクルショップ、そんなことはなく、まんべんなくジャンクにいろいろなものが所狭しと売られていた。
そんなジャンクなものの中で、ひときわ私の目を輝かせるものがあった。某リサイクルコーナーのジャンクコーナーを見ていると、楽器関連物品が立ち並んでいるか所で小さなウクレレを見つけた。
雑にビニールのケースの中に置かれていた。よく見るとヤマハのラベルが張ってある。以前ウクレレでもやってみるか、という気持ちになったので調べていた折にわかったのだが、ヤマハがウクレレを出していたのは60年代から70年台らしい。
ということはこのウクレレもそうなのだろう。ラベルを見るとno.170と書いてある。すぐさまスマホで調べてみると、どうやらその通り60年代から70年代頃の品らしい。細かく見てみると、膠で接着したような手作り感満載の見た目だし、ペグという弦をまく部分も木でできている。ザ・レトロだ。
古いものが好きな私としてはたまらなかった。とはいえなぜこれがジャンクコーナーに置いてあるのか、ざっと見渡した限りでは理由はわからない。
値札を見てみると理由が分かった。トップに剥がれあり、と書いてある。ギターやウクレレみたいな楽器はグーグル先生の情報によれが、枠を作りその上にトップ(弾く方)、バック用の板をハメて接着して作るらしい。
値札を見た後によくよく見ていみると上の板のお尻の方が少し浮いている。でも気にならないくらいだ。何ならボンドとかで自分で治せそうな感じである。
再度値札を見てみると540円。別に値段で買うわけではないのだが、ネットで調べたときにちらっと見てみた情報によれば1万円くらいするウクレレらしい。
そんなわけで、僕は下北沢というおしゃれな街でどこにでもあるリサイクルショップに入り、ヤマハのウクレレを540円で買ってきた。
ちなみに、ギターのリペア屋さんの情報を調べその日のうちにボンドや荷物を止める用のひもを駆使して、板を再接着したらきれいにつながった。音もおかしくなくごきげんである。
しばらくはこのウクレレのおかげで楽しい日々が過ごせそうだ。
終わり