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囲碁の女流プロ棋士になるまでの道のりを解説 プロになれるのは男女合わせて年に10人以下

史上最年少のプロの囲碁棋士仲邑菫さんが誕生しましたね。よろこばしいことであります。ただ、個人的には女流をはじめ、囲碁棋士ってどうやってプロになるのかわからなかったのでどんなもんだか調べてまとめてみました。注情報は日本棋院のものを参照しています。

 

プロになるまでには14歳までに養成機関に入る必要が

プロになるまでは狭き門といってもどれくらい狭いのか。日本棋院を例にしてみると14歳までに棋士になるための専門塾のようなものである「日本棋院」に入学する必要があります。

 

もちろんここに入るのも簡単にはいかないわけでアマチュア6段ゲームでいえばネット囲碁の東洋囲碁で6~8段程度の実力がなければ入学できないようです。

 

囲碁関連の情報を発信しているブログやサイトを見てみると、このレベルであれば県代表として大きな大会に出場できるレベルとのことです。実際のところ高いレベルではありますが、プロとしての関門としては意外にも広く門戸は開かれているのかもしれません。

 

日本棋院の仕組み 年齢制限は将棋より厳しい

とはいえ、繰り返しになりますが、院生にはいれたとしてもプロになることは決して簡単ではありません。

院では院生序列と呼ばれる戦績に応じた序列がつけられており日本棋院ではA~Eまでの5段階あり、男女混合でそれぞれ10~12人の院生が所属しています。

ここで成績が上位になれば、序列がE~Dといった具合に上がっていき、プロになるためには最終的に最上位のAに上り詰める必要があるのです。

ちなみに院生には院生でいられる修了年限のようなものが設けられています。17歳までにプロになる(入段する)ことができない場合、院生は院をやめなければならないのです。

ただ、一見早いようにも思えますが、仮に17歳でやめたとしても、まだ受験の期間にも間に合うようになっています。普通に受験して合格すれば浪人生にもなりませんからね。再スタートという点で考えると、院生の将来をしっかり考えている年齢制限のようにも思います。

ちなみに院生をやめても外来という扱いで冬に行われるプロ試験には参加することが可能です。それでも22歳までの年齢制限があり、22歳を超えた段階でプロになる道は完全に閉ざされることになります。

囲碁のプロ棋士になることが非常に狭き門であることがわかりますね。

プロ試験は年2回 

さて晴れてAクラスに所属することができれば、プロ試験に臨むことができるわけですが、それも過酷。試験は年に2回用意されています。一つが夏に行われる夏試験。Aクラスに所属している10数名が総当たり戦で4~6月までの3か月間を戦いその中で戦績1位だったもの1名のみがプロになることができます。

 

もう一つあるのが冬試験。31年度日本棋院の募集要項によれば、外来と呼ばれる、院生ではない人たちの中で予選を勝ち上がった4名。そして、院生の中で20位から11位までの成績だったもの10名が参加。14名がリーグ戦形式で戦います。

 

最終的に勝ち残った6名で本戦を行います。31年度の要綱に記載はありませんでしたが、例年成績上位2名が合格するようです。

 

これ以外に30年度までは女流棋士のみの採用試験が行われており、そこから成績上位の1名が採用されるという流れになっていました。

1年でプロになれるのは4名程度というわけです。

もちろん成績が芳しくなければ誰も合格しないということもあるようで、もっと少なくなることもあるそう。

 

 

ただ、平成19年を最後に男女混合のリーグ戦で好成績を収めプロになった女流棋士はおらず、男性棋士と比較した場合の女流棋士不足が深刻になっていました。

 

そんな中で31年度から混合リーグでの勝率が5割以上など一定の成績を収めた女流棋士をプロをとして採用する特別推薦制度が設けられ、女流棋士が4名ほど採用されるになったようです。

女子プロ棋士には特別推薦枠が 仲邑プロも新設された推薦枠によって採用

そんなわけで、新たな推薦枠からは2019年4月には3名が女流プロ棋士となることが決まっています。

その三名がこちら いずれもかなり若いです。

 

  • 1. 辻  華 18歳
    (東京本院院生経験者。平成29年度、推薦基準となる東京本院院生Aクラスに5ヶ月以上在籍する成績を収める)
  • 2. 五藤眞奈 16歳
    (東京本院院生在籍。平成30年度冬季棋士採用試験本戦において推薦基準となる勝率5割以上の成績を収める)
  • 3. 森 智咲 15歳
    (東京本院院生在籍。平成29年度、推薦基準となる東京本院院生Aクラスに5ヶ月以上在籍する成績を収める

 

ちなみにくだんの仲邑プロはと言えば特別推薦枠とは異なる、若年時からプロとして育て上げ、中国韓国勢にかつプロを作り上げることを目的とした英才特別推薦採用棋士の第一号として才能が認められ採用されています。

 

仲邑プロの存在がいかに異例かがわかります。

ちなみにこの枠は将来性を加味してからか、小学生までと年齢制限が定められているそうですからもしかすると今後はもっと若い女流プロ棋士が誕生する可能性もあるかもしれません。

 

まとめ

簡単にまとめると、囲碁のプロ棋士は非常に年齢制限が厳しく、基本的に10代で目が出なければなかなかプロになることは難しいようです。

採用される数も少なく、狭き門と言えます。こうした中で、井山5冠らからの推薦を受けて、プロ入りした仲邑プロはいかに異例だったかということがわかるかと思います。

 

正式な参加は4月から、どのような活躍をするのか非常に楽しみです。